ダウン症の思春期ガイド(13〜18歳)

tomoribiko

🧑‍🎓 ダウン症の思春期ガイド(13〜18歳)|自立・社会性・性の悩みに向き合うために

💬 「この子の未来はどうなるの?」と思い始める頃

ダウン症のあるお子さんが中学生〜高校生の年齢に差しかかると、「将来をどう描けばいいのか」という不安が大きくなります。
思春期は、自立・就労・性教育など、育児から「社会との関わり」へと関心が移る時期。
このページでは、13〜18歳ごろの発達・支援・親の悩みへの向き合い方をまとめました。


👦 ダウン症児の思春期とは?|13〜18歳ごろの発達と変化

この時期は、見た目の変化と内面的な成長のバランスにギャップが出やすくなります。
周囲との比較、本人の自己意識の芽生え、身体の成長などが交差する複雑な時期です。

思春期の特徴(ダウン症児)

領域よくある傾向コメント
身体の変化声変わり・月経・体毛などが始まる身体だけ先に変わることも
自己意識「自分と他人の違い」に気づく気づいても言語化が難しいことが多い
対人関係同世代の会話についていけない友達=大人、年下ということも多い
感情イライラ・混乱が強まることも切り替えの難しさが目立つ時期

💬 ダウン症の子の将来が見えず、不安が増すときに

「この子は社会で暮らしていけるの?」
「働ける?一人で暮らせる?」
そんなふうに将来が急に怖くなるのが、親の思春期でもあります。

よくある悩み

  • 将来の「仕事」や「住まい」が想像できない
  • 二次障害(反抗・不登校など)が心配
  • 性的な行動への対応がわからない

少しでも心を軽くするヒント


🧭 思春期の支援・制度まとめ|社会性・就労準備・性教育まで

支援名内容相談先参考リンク
放課後等デイサービス就労準備や社会性の支援が受けられる市区町村・福祉サービス事業所制度概要(厚労省)
生活訓練(自立訓練)将来の一人暮らし・通所訓練など福祉事務所・相談支援専門員障害福祉サービス
就労移行支援18歳〜の就労支援(準備期間含む)地域の支援事業所
性教育支援医師・看護師・養護教諭などによるサポート学校・療育センター地域の医療機関に相談

📋 思春期に準備・相談しておきたいこと

  • 将来の進路(高等部/特別支援学校/作業所)
  • 体の変化に関する説明と支援(性教育・衛生管理)
  • 通所支援の使い方(放課後デイ/短期入所など)
  • 親の将来不安を共有できる場所の確保

🧡 親の体験談|“親の不安”が強くなる時期に寄り添ってくれた言葉

Eさん(母・高校生の息子)
「“この子が働けるのか”が不安でしかなかった。でも支援学校の先生が“可能性より、選択肢を増やしましょう”と言ってくれて、少し救われました。」

Fさん(父・中2の娘)
「娘の“恋”にどう向き合うか迷った。性教育って、“禁止”じゃなく“理解”だって気づいてから、少しずつ前向きになれました。」


💬 よくある質問(FAQ)

Q. 思春期になって反抗的・不安定になりました。どうしたらいい?

→ ダウン症のある子にもホルモンバランスの影響があります。親子の距離感・支援者の第三者的関わりが効果的なことも。

Q. 性教育はいつから、どうやって始めるのがよい?

→ 小学校中学年〜中学までに段階的に。男女ともに「相手を尊重する」「自分を守る」視点で伝えましょう。個別対応が望ましいです。

Q. 将来の仕事や住まい、どこに相談すれば?

→ 支援学校/相談支援専門員/市区町村の障害福祉課が窓口です。複数の選択肢を同時に検討するのが◎。


🧁 思春期のうれしかった瞬間

  • 「ひとりで電車に乗れた!」と言って誇らしそうだった
  • はじめて自分から「ありがとう」と言った
  • 自分で選んだ服を毎日着ている

🆘 しんどくなったら|親のための支援一覧(再掲)

支援名内容窓口
児童相談所子ども・親・家族に関する相談厚労省一覧
精神保健福祉センター親のメンタルヘルス・二次障害の相談都道府県・自治体
カウンセリング・当事者グループ体験共有・ピアサポート福祉事務所・民間団体

🔗 育てることに悩んだときの案内ページへ(別ページ)


👪 思春期こそ、家族の「関わり方」が試される時期

  • 寄り添いすぎず、見守りすぎず
  • すべての答えを持とうとせず
  • 話せないときも、近くにいるだけでいい

🌱 思春期は、自立の“準備期間”。まだ“スタートライン”

この時期は、「大人になる準備」として、ゆっくり社会とつながる時間です。
迷いながらも、親も子も一緒に変化していけたら、それが一番の“成長”です。


▶️ 次ページ:「ダウン症の成人期(18歳〜)の暮らしと支援」へ

🔗 次のページを見る

記事URLをコピーしました